日韓通貨スワップ協定が復活か?政府はいま国民の反応をみている模様
日本にとって何のメリットもないといえば大げさだろうか?
韓国経済のため、いま日本人の税金が使用される可能性が復活するといえば、それもまた大げさだろうか?
2015年2月に打ち切られたはずの通貨スワップ協定(通貨下落時にドルなどを融通しあう協定)が、復活する見込みだ。
経済の結びつきが強い場合、その有効性は確かにあるスワップ協定。
しかし、今回の日韓通貨スワップは、下落が続きそうな韓国通貨に対して、(日本国民からみれば、)円がそのリスクを背負うだけにしかみえない。
こんなことを、果たして日本人の誰が納得できるのだろう?
しかし、これには、実際問題として、そして、火急的な理由がある。
それは、北朝鮮の脅威にたいして、日韓がさらに連携を深化させる必要があるからだ。
(アメリカもすでに、ある種のふんぎりをつけているのかもしれない。)
これは、具体的に、
「ソウルで有事が起こった際、日本の若者は韓国のために血の涙を流せるか?」
ひるがえると、
「東京に有事が起こった際、韓国の若者は日本のために血の涙を流せるか?」
ということだ。
そして、
血の涙とは、例えとしてではない。
だが、いま、両国民は、こと感情面において、そういった関係にあるとは思えない。
(自衛隊と韓国軍の関係が良好なことは唯一のすくいとしても)
いい悪いの話ではなく、
この通貨スワップにおいてすら、スムーズには運べない状態だ。
そもそも、これは、日本人が抱く韓国への不信感と同じく、
韓国人も日本に対し不信感を抱いているのが原因だ。
もちろん、慰安婦をめぐる話がその代表。
日本人としては、腹にすえかねるこの問題だが、
すこし、韓国人のきもちにも、なってみてほしい。
そもそも、日本の新聞社が、自ら「慰安婦」報道を行ったのだ。
にもかかわらず、
「(そんなものは事実じゃないけど、)まぁ、形式的には認めるし、金ならやるから、今後、いっさいその話はするなよ?」
と言われたら、どうだろう?
日本人の場合、それでも表面的には納得しそうな気もするが・・・
それでも、生理的には、
他国の軍人が自国の女性を「強姦」「連行」していったという歴史は、絶望的に自尊心を踏みにじる。
そして、そのことを、お金によって今後いっさい言及を禁止するという要求は、金持ちのボンボンが強姦を示談でもみけすような印象に感じるだろう。
そして、さらに悲劇なのが、これらが捏造であるということだ。
この捏造であるという解釈は、日本人だから、納得できることであり、どうしたって、韓国人が、「そうだったんですか」となるわけがない。
なにより、「慰安婦問題日韓合意」において、安倍晋三首相が事実と位置づけたのだ。
これは、日本人と韓国人に永久に消えない大きなしこりを残した。
日本人の慰安婦への印象
「まぁ捏造だけど、うるさいから認めるわ」
こんな日本人の気持ちを、韓国人が知ったら、いったいどう思うだろか?
けっして認めないほうが、まだスッキリとしていたことだろう。
そして、政府としては、もう触りたくないこの問題をそのままにしたのだ。
それは、時間がないからにほかならない。
今回の「通貨スワップ復活報道」は観測気球のようなものだ。
つまり自国民の反応をみている。
日本人のみならず韓国においても、
国民が「NO」をしめす可能性もあるからだ。
それは、選挙でも、デモでも、起こりうる。
しかし、今後、日韓は、否が応でも、
経済で連携を深め(通貨スワップ)
外交で連携を深め(新しいアジア・アフリカ外交)
国民感情の相互理解を深め(歴史問題の融解)
それらをへて、
最終的な、真の軍事的同盟関係(有事法案含め)
を築き、北朝鮮問題に対応していく必要があるようだ。
それらはまるで、悲劇的な危機に備えている両国の姿のようにもうつる。
【記事参考】